毎日「本」に触れるメリットはあるか
お久しぶりです、東谷です。
突然ですが、皆さん本は読みますか?
今日は、少しのんびりした気持ちで「読書」についてお話ししていきます。
本を読む週間
私はこどもの頃から本を読むのが大好きで、大学の終わり頃までは毎日のように文字を求めている人間でした。
しばらく前に書いたこちらの記事。
以前の記事「知識を食べたい・成長したい」はこちらから
https://www.quroco.co.jp/staffblog/2988/
ここで紹介した「卒業論文」を境に本から少し離れてしまったのですが、昨年10月の終わり頃にふと思い出した「読書週間」というもので、久方ぶりに本を手に取りました。
読書週間とは、終戦後「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という想いのもとに始まった運動のことです。
定められている期間は10月27日から11月9日の2週間。
公益社団法人 読書推進運動協議会HPより引用
「読書の秋」なんて言葉もありますし、まさに本を読み始めるのにうってつけの日でした。
私はもっぱら紙で読むのが好きです。
文庫本を手に取り、ペラリとページを捲る瞬間、このひと時に使う時間がとてつもなく幸せなものに感じます。
随分と長い期間を経て、またこの時間を手に出来たことがとても嬉しい毎日です。
本を読むメリットを考える
ところで、どうやら私は本を読むペースがやたらと速いようです。
学生の時分、生徒が教科書を黙読し終わったら授業の本題に入る、という流れで先生に「もう読み終わったのか」と言われた時に認識しました。
(国語の教科書は新学期初日に全て読み終わっていた、というのもありますが…)
わざわざ計ってみたことがあるのですが、おおよそ文庫本100ページを1時間で読み切っていました。
かつ、それを繰り返せる集中力も持っているようで、数時間通して読書にのめり込むこともざらにあります。
これはこどもの頃から読書そのものに慣れ親しんだ結果でしょうね。
「文字を読むのが速い」というのは、大人になってからなかなかに威力を発揮している特技でもあります。
資料やメールを読む機会は多くの方にもあるでしょう。
急いで読んで終わり、ではなく、その時間を使って何度も読む。
そうすることでふとした違和感に気付くことが出来るのです。
その違和感は直すべき自分の言い回しだったり、確認しなければいけないデータの不完全な部分だったりします。
読み取ることに慣れるための第一歩は、意外と読書かも。
無心になれる時間を作る
読書の良いところは、余計な考え事をしなくて良い点です。
日々の雑事に追われた時、「何も考えず何かをする」のに最適だと思っています。
映画は観始めると画面の中で勝手に話が進み、自分のペースではなくなってしまうことがあります。
これはドラマやアニメも一緒。
漫画は活字本のように自分でページを捲りますが、こちらは何巻も続いている場合一気読みは難しいですね。
好きなときに好きなペースで楽しめるのは本の醍醐味ではないでしょうか。
家のソファー、公園のベンチ、お気に入りのカフェ。
本を1冊持って好きな場所に座ると、その瞬間に「没頭の準備が出来上がる」ところがなんとも心地よいのです。
それから、これを読み終わると何かに決着がつくぞ、と感じられるのも魅力の一つ。
落ち着ける場所と飲み物を用意したら、いざ本の世界へ。
登場人物たちの動向を頭に留め、セリフのひとつひとつに思考を巡らせ、劇的な展開にハラハラし、どうにかトリックを暴こうと模索する。
そんなことをしている間は、現実での悩みを一旦横に置いておけます。
一度無心になる時間が出来ると、その後問題に立ち向かった時に意外と冷静になれたりもしますね。
人にすすめたい本
これ、実は難題です。
「最近面白い本あった?」にはすぐ答えられます。
でも「おすすめの本ある?」はどうにも難しい。
その人はどんな作家を読んできたんだろう。
今はどんなお話に浸りたい気分で、どんなことを読書に期待しているのだろう。
そもそもどれくらい本を読む人で、その人の人生において読書はどれほどの容量を占めているのだろう。
と、いらんお節介が頭を駆け巡ります。
でも多分私におすすめを聞いてくる人はそこまで深く考えていないです。
今回はこれを読んでいるあなたを、私が勝手に想像して選んでみました。
当てはまりそうな方がいらっしゃいましたら、ご参考までに。
誰かの昔話に楽しく相槌が打てる人におすすめ
『夜更けのおつまみ』東山彰良、吉川トリコ ほか
『3時のおやつ』平松洋子、大島真寿美 ほか
執筆した作家陣の名前を見るだけで卒倒しそうなほど豪華。
それでいて中身は非常に質素で、だからこそ贅沢に楽しめる。
「夜更けに食べるおつまみといえば?」「3時に食べるおやつといえば?」
そんなテーマで、各作家によるごくごく短いエッセイが凝縮された言葉で綴られています。
お酒が好きでも、飲めなくてもいい。
甘いものが好きでも、しょっぱいものが好きでもいい。
読みながら絶対におなかが空きます。
だけど心のどこかがゆっくり満たされるような、そんな本です。
食べたことの無いものに興味がある人におすすめ
『土曜はカフェ・チボリで』内山純
森のような敷地を歩いて歩いて辿り着くのは、そこだけまるで違う時間が流れているかのようなお店「カフェ・チボリ」。
デンマークの空気と美味しい料理と、一風変わった人々が登場する、どこか不思議なお話です。
食べたことの無いものって、気になりませんか?
と言うと賛否両論あると思いますが、私はめちゃくちゃ興味があるタイプ。
行ったことのない土地や見たことのない景色に憧れるのと同じ感覚だと思っています。
そんな感覚をじんわり呼び覚ましてくれる、あたたかいミステリーです。
すげー!ってなるミステリーを欲している人におすすめ
『体育館の殺人』青崎有吾
すげー!ってなります。
これにハマるときっと誰かに勧めたくなります。そしてシリーズの次の巻を手に取ることでしょう。
こちらは、殺人事件の関係者を一部屋に集めた探偵が「犯人はこの中にいます」と宣言するタイプのミステリー。
でもきっと、今皆さんが思い描いた展開にはなりません。
個人的な好みもありますが、舌を巻くほどストーリーの構成がうまく、それでいて登場人物がしっかりとキャラ立ちしている、圧倒的なバランス感覚で本を書く作家さんです。
読後はすっきりしすぎて少しだけ腹が立ちました。
なぜ私はこんなに隅々まで読んでおいてこの謎が解けないんだ?と。
さいごに
本を読むのが億劫だという人もいると思います。
この記事のタイトルに「メリット」と使いましたが、本を読まないことで「デメリット」が生まれるかというと、別にそんなことはないでしょう。
ただ、読書は楽しいです。それに尽きますね。
もしかすると皆さんの中にも忘れられないタイトルがあるかもしれません。
気が向いたら、ぜひその表紙を捲ってみてください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
それではまた~。