色々な「色」を愛でてみる
こんにちは、東谷です。
皆さん、好きな色は何ですか?
子供の頃はよく聞いたり聞かれたりする質問ですが、大人になって考えると徐々に答えが変わってきそうな気がします。
幼いころ母に好きな色を尋ねると茶色と回答があり、なんでそんな地味な色なの?と思った記憶がありますが、自分自身が当時の母の年齢に近付くにつれて「茶色っていいよね」という感覚が芽生えてきました。
今日はなんの専門的知識もない私が、思い出を交えつつ「色」についてお話します。
休憩時間にでも読んでいただけたら嬉しいです。
日本の色と色合わせ
日本の色の名前というのが昔から好きで、時たま調べてみては新たな発見にウキウキしたりします。
付け焼刃な知識と共に一部をご紹介しますね。
日本において紫が高貴な色である、というのは耳にしたことがあると思います。
これは聖徳太子が制定した「序列を定めた色」のうち、一番上の位(くらい)とされる「大徳」が紫に指定されているのが大きな由来です。冠位十二階というものですね。
そして一口に紫といっても様々。以下は一例です。
深紫(ふかむらさき)#493759
灰色がかったような濃くて深い紫。
二藍(ふたあい)#915c8b
二種類の色を使って染められた紫。※年齢や立場によって色味が変わる
蒲葡/葡萄染(えびぞめ)#7a4171
葡萄の実のような赤寄りの紫色。
また、日本には「襲(かさね)の色目」というものがあり、これは衣服の表と裏や、布を重ねた際の色の取り合わせのことを言います。
上記の「蒲葡/葡萄染」は、襲の色目では表を蘇芳、裏を縹とした合わせ方を指します。
四季を通じて着用できる色合わせです。
この二色に紫は含まれていませんが、赤と青を混ぜると紫ということでしょうか。想像力が掻き立てられますね。
蘇芳(すおう)#9e3d3f
縹(はなだ)#2792c3
浅葱色(あさぎいろ)#00a3af
薄い葱の葉の色にちなんだ明るい青色。
新鮮組のダンダラ羽織に使われたことで有名な浅葱色。
爽やかな印象の青色ですが、当時は「浅葱裏(あさぎうら)」と言えば「野暮な田舎侍」という意味でした。
「この色を着物の裏地に使うのは、流行遅れで野暮ったい」という見方があったようですね。
今様色(いまよういろ)#d0576b
すこしくすんだ赤色。
今様色とは、そのものずばり「流行りの色」です。平安時代にこんな可愛らしい色が流行っていたなんて!
金糸雀色(かなりあいろ)#ebd842
ほのかに茶が混じった明るい黄色。
江戸の中期以降に日本にやってきたカナリアにちなんで名付けられた金糸雀色。鮮やかで眩しい黄色です。
お気に入りの伝統色はありましたか?
カラーコード
和色大辞典(https://www.colordic.org/w)より参照
本の背表紙
しばらく前のことですが、Twitter(Xだよ!)でこんな面白い投稿を見かけました。
講談社の文庫本は背表紙の色を作家さんが選び、現在は茶色、桃色、朱色、灰色、空色、藤色、緑色、若草色、山吹色、橙色の10色があるとのこと。
こんなの見たら家の中の講談社文庫を探し回るに決まってます。ところが茶色が見つからない!
今度は本屋に行って講談社の棚へ。茶色の背表紙の作家さんはどんな方がいるんだろう、なんて眺めていたところ、思わず手に取ってしまった一冊が。
YouTuberグループ東海オンエアのメンバー虫眼鏡さんによる書籍『東海オンエアの動画が6.4倍楽しくなる本 虫眼鏡の概要欄 クロニクル』です。
虫眼鏡さんのメンバーカラーが茶色なのは知っていたので、背表紙もしっかり茶色を選んだんだ!と嬉しくなり、探していた背表紙カラーが読みたい本で揃った喜びも相まって、勢いよくレジへ持っていきました。
概要欄、非常に面白いです。
そんなこんなで家族の本も拝借しつつ、我が家にあった講談社文庫のカラーはこんな感じ。
ショッキングピンクや、黄色でも茶色でもないクリーム色っぽいものもありました。
恐らく、現在の色に定着する前に出版されたものなのでしょう。
例外的に出たことのある黒色や翻訳ミステリーの藍色が無いのが残念ですが、こうして見るとなんだか壮観!一仕事終えた気分です。
さて、元の棚に戻さなくては…。
ランドセルと色鉛筆
最近の通学路は、実に色とりどりのランドセルを背負った子どもたちが歩いています。
自分の時代を思い出すと記憶を20年ほど飛ばさなくてはいけないのですが…当時は赤と黒が主流で、極稀に青や茶色、濃いピンクを見かけました。
「今選ぶなら何色かな」と考えましたが、やはり当時と同じ赤かもしれません。もしくは夜道で光る蛍光イエローでお願いします。
ちなみに社内で簡単なアンケートを取ってみたところ、今ランドセルを選ぶなら茶色が良いという意見が多かったです。オシャレ鞄だ!
その他にも、あの頃と同じ黒や赤が良いという意見もありました。皆さまご協力ありがとうございます。
さて、同じく子ども時代に良く使用していたのが色鉛筆です。
こちらは無意識に好きな色を手に取りがちなので、鉛筆の減り具合からその無意識が具現化して見える大変面白い教材だということを発見しました。
四半世紀以上にわたり使い込まれた私の色鉛筆をご覧ください。
経年による汚れはご容赦頂きつつ、無意識の具現化使い込まれランキングがこちら。
1位 きいろ
2位 みどり
3位 ちゃいろ
4位 うすだいだい(当時は「はだいろ」表記)
5位 あか
途中で折ってしまったり足りなくなった色を買い足した記憶はないので、概ねこの通りだと思います。
黄色が好きな色だった自覚はあるのですが、意外と緑と茶色が減っていました。
ここの記憶は定かではありませんが、自然でもスケッチしていたのでしょうか?
さいごに
ここにきて、大人になってから考える「好きな色」には、決まって対象物があることに気付きました。
自分が着る洋服の色?家の中の家具の色?引き寄せられる広告の色?
ただ漠然と好きな色と言っても、何において好きな色かで回答は変わります。
デザインによって求められる色もあるでしょう。
注意喚起は黄色と黒。目立たせたいサムネイルや動画の字幕は赤を多めに使ったり、色相環とにらめっこしながら読みやすい色の組み合わせを探すこともあります。
改めて考える自分の好きな色、なかなか面白いです。
このブログの最後にある私のプロフィールも読んでいただけたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
それではまた~。