本のこと、図書館のこと
お久しぶりです。
なかなかブログを更新する時間がとれず、気付けばもう10月になっておりました。
夏の盛りを飛び越えて、もうすぐ冬が見えてきそうな季節です。
私が好きなハロウィンがあるので少しだけワクワク…特に何をするというわけでもないんですけどね。
本日の議題は「本のこと、図書館のこと」。最後までお付き合いいただければ幸いです。
読書の熱がとまらない
読書についての記事は書きすぎだしマンネリだよな…。
そう思いながらクロコのブログ執筆に臨むことが多いのですが、見返してみたら最後に本について書いたのは今年の1月だったようです。
しかも内容は2023年の振り返り。
じゃあ最近の読書事情を書いてもネタ被りにならない!と、喜び勇んで本を選びました。
直近で読んだ面白い本をいくつかご紹介いたします。
ネタバレしないように頑張ってみますので、気になった方はぜひ読んでみてください。
①黒牢城/米澤穂信

過去に中世を舞台にした『折れた竜骨』を読んで感動し、その中に「『折れた竜骨』と『黒牢城』は兄弟作」であるという米澤さんの言葉を見つけ、それ以来『黒牢城』が文庫化されるのを今か今かと待っていました。
『黒牢城』は安土桃山時代が舞台です。
織田信長を裏切った荒木村重は有岡城に立て籠もります。説得しにやってきた黒田官兵衛(小寺官兵衛)をも捕まえ土牢に幽閉しますが、ここまでは史実のお話。
この城の中で起こる様々な事件が城内に不穏な空気を残し、村重はその暗雲を取り払うべく、謀略に長けた官兵衛に会いに地下の土牢へ足を運びます。
官兵衛と村重は、時計もカメラもない時代にアリバイを成立させて犯人を特定していきます。これは官兵衛を安楽椅子探偵とした、れっきとしたミステリーなのです。
時代小説が好きな方にも、ミステリー小説が好きな方にもおすすめの一冊。
②彼女は水曜日に死んだ/リチャード・ラング

図書館の本だったので本の写真がありませんでした。
こちらは真っ白な表紙に惹かれ、次にタイトルに惹かれて借りることに決めました。
内容はというと、犯罪すれすれの(もしくは犯罪者の)一面に触れた短編集です。
生きることはどういうことか、死ぬことはどういうことか、を様々な視点を通して実感できた気がします。
私は「聖書外伝」が特に好きでした。
「人生は辛いけど最後はハッピーエンド」みたいな話ばかりだったら嫌だな、と思いながら読み進めたのですが、BADにもGOODにも種類があることを教えてくれるような内容でとても良かったです。
人生は人の数だけあり、その良し悪しを判断できるのは恐らく本人だけなのだろうと思います。
③こぽこぽ、珈琲

コーヒーはお好きですか?私は大好きです。
こちらは河出文庫の「おいしい文藝」シリーズから、珈琲にまつわる31名のエッセイが詰められた一冊。
出社した際、昼ごはんを買うついでに寄った本屋で購入した記憶があるのですが、その時はこんなに読み応えのあるものだとは思っておりませんでした。
より取り見どりの作家陣が過去に雑誌に寄稿したエッセイや、自身のエッセイ集の中の一編など、時代も出版社も様々な中から編纂されています。
色んな作家にとっての色んな珈琲。
ぜひご自身でもコーヒーを飲みながら、味わってみて欲しいです。

図書館を利用しようと思った「理由」
どうにも電子書籍に馴染めず、読みたい本のリストはどんどん長くなり、それだけの量を買って家に置くとなると大幅に場所をとります。
金銭面より収納面に悩むとは、子どもの頃は思いもよらないことでした。
シリーズものを一から読みたい。あの全集に手を出してみたい。そういった願望に、財布よりも本棚が悲鳴を上げはじめます。
そんな時ふと思い至って、近所の図書館に足を運んでみました。
上記で紹介した本のうち『彼女は水曜日に死んだ』は図書館で借りた本です。
確かアメリカの作家の本棚で見つけたと思います。ジャケ買いならぬジャケ借りをした一冊。
こんな出会いも図書館の醍醐味です。
小学生の時、夏休みの課題のためにドイツに関する本を探しに行ったこと。
「わかったさん」や「こまったさん」シリーズを片っ端から読んでいたこと。
中学生でライトノベルにハマり、適当に借りた本に「何かちがう」と首を捻ったこと。
大学生になって、卒業論文のための資料を探しに通ったこと。
思い返すと、私の子供時代は図書館に支えられていたようです。

「誰でも使える」は凄いことだった
図書館は、まさに老若男女が集まる場所です。
予約した本を受け取るために訪れた時は、ほんの数分の滞在中に4世代くらいとすれ違いました。
身の回りで幅広い世代が集まれる施設を考えてみましたが、飲食店くらいしか思いつきません。
とはいえ、小さなお子さんはジャンクフードを食べられなかったり、年配の方が揚げ物を敬遠するように、難しい側面もあります。
図書館のように本を扱う場所として「本屋」を想像してみても、自分のお金で本を買い始めるのは一定の年齢からになりそうです。
未就学児から祖父母の代まで幅広く平等に利用できる公共施設というのは、当たり前のようでいてとても凄い場所だと気付きました。
そして、今はスマホから本の予約ができるんですね。
受け取る場所を選べば、準備ができたことをメールなどでお知らせしてくれてとても便利です。
私にとっての懐かしい場所は、懐かしさをそのままに進化もしていました。

具体的には「どんな場所」?
平日夕方の図書館は、自分と同じように仕事終わりであろうスーツ姿の男性や、昼の用事を終えた老年の女性などがぽつぽつと書架の間に見えます。
こういう時間帯は、部活のある学生や小さな子ども連れの親子は数えるほどしかいません。
一方休日の図書館は、実に多くの人がいます。お子さんと一緒に児童書のコーナーを眺めるお父さんや、料理本の棚を吟味するお母さん。
点々と置かれた椅子はどこも本を読む人で埋まっており、テーブルがある席には参考書やノートを広げた学生がたくさんいます。
きっと夏休みなどの期間は、課題図書を求める学生でさらに混雑するのでしょう。

本屋と比べると面白い違いがあります。それは書籍の並べ方です。
書店にも寄りますが、多くの場合は出版社ごとに棚が分かれ、その中で作者の名前順に本が並びます。少なくとも単行本と文庫本は分かれているのが主流です。
汚れのない綺麗な本が、1つのタイトルにつき数冊ずつ並んでいるのも本屋の風景でしょう。
ところが図書館では、基本的に1つの本は1冊しか置かれていません。
多くの人の手が触れ、それでも司書の皆さんの手で丁寧に修繕された本が、出版社に関わらずずらりと並びます。
また、もう一つの大きな特徴は耳から入る情報です。
多くの人が訪れる場所でありながら、図書館は基本的に静かな場所だと思います。
こんなに多種多様な人たちが自発的に黙って何かの作業をしているのは、ある種の異様さを兼ね備えていて「不気味面白い」です。

さいごに
図書館の魅力、少しでも伝わりましたでしょうか?
気になっている本や昔読んだ懐かしい本を求めて、ぜひ図書館に足を運んでみて欲しいです。
今後ものんびりブログ更新していきます!
最後までご覧いただきありがとうございます。
それではまた~。