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2020.09.09

読んで、食べる、おいしい活字

こんにちは、こんばんは、クロコの木村です。

いつもご拝読いただき誠ににありがとうございます。最近、採用面接などでよく「ブログ読みました」という声をいただき「嬉、嬉~~!!!」となっております。

毎度、好き勝手に書きたいことをつらつらと書いているのですが、誰かの目に届いていることを実感すると嬉しいものですね。これからも愛の向くままに書いていければいいなと思います。

ついでといってはなんですが、クロコくんの公式Twitterもちゃっかり更新していましたので気が向いたらフォローいただけますとクロコくんの中の人が「嬉、嬉~~!!!」となりますので、ぜひとも!ぜひとも!よろしくお願いいたします。(ダイマ)

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見上げた先に広がる「季節」

さて、最近の仙台ですが日差しの強さによって気温の上昇はあるものの、ふとした瞬間の空気や見上げた先の雲の様子が「秋」を感じさせてくれています。

日曜日の17時、西日と二層の雲
月曜日の9時、信号待ちとまだら雲
火曜日の8時30分、残暑とヴェール雲

この雲のかんじ、わたしはとてつもなく「秋」を感じるのですが伝わりますかね…?

この季節、空を見上げてちょっとおセンチな気分になりながらお気に入りの曲を聴いて、「わたしは小松菜奈」と自己暗示しながら歩くととても気持ちがいいです。気分が爆上がりします。おすすめライフハック。

さてさてここで本題ですが、もうそこまで秋がやってきたということで去年に引き続き、今年も「読書の秋」にぜひおすすめしたい小説を3冊、ご紹介したいと思います!

去年の記事「【おすすめ小説】読書の秋って言いたいだけ【3選】」はこちら⇩

https://www.quroco.co.jp/news/news/552/

1.宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」

【あらすじ】

結婚式直前に突然婚約を解消されてしまい失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したのは“ドリフターズ(やりたいこと)・リスト”の作成だった。自分の心を見つめ直すことで少しずつ成長してゆく彼女を通し、自らの気持ちに正直に生きたいと願う全ての人々におくる物語。

宮下奈都「太陽のパスタ、豆のスープ」あらすじより抜粋

「え、なになに?そっち通るの…?」っていう裏切り

この作品、あらすじと読みはじめ何章かまでは「ああ、たぶんこんなお話しかな」って予想して読み進めていたのですが、途中からいい意味で予想を裏切る内容にて進んでいきます。

「1.挫折を味わう」⇒「2.やりたいことリストを作成する」⇒「3.自分を見つめなおす」⇒「4.成長していく」

一見するととても単純でありきたりなストーリー展開ですが、3から4にかけての方法といいますか手段?理由?が、思っていたところとは全く別方向の視点で繰り広げられます。

何気ない日常の中で進んでいくお話しなので場面の移り変わりは淡々としているものの、予想していなかった道を通っていくのでどんどん読み進めてしまいました。

(たとえるなら「初めて乗ったバスが、目的地まで自分の知らないルートで向かっている最中のなんともいえないドキドキ感」って感じですね)

「私が選ぶもので私はつくられる」

周りから主人公に向けられた言葉が、思わずスローガンにしてデスクに飾っちゃいたくなるほど印象的なものが多いのもこの作品の特徴です。

生きていくうえで、毎日何度も選択をしなければならない場面に出くわします。その選択が正解なのか間違いなのかは結局のところ明確ではなくて、あくまでその選択をして自分はどうなったか、どういう行動をしていくのかが重要に感じます。

選択を「意味のあるもの」にするのは自分次第で、いくらでもその先の結果は変えられる。そんなことを気づかせてくれる場面がたくさんありました。

立ち止まってしまったり、感情の振れ幅がいつもより大きくなってしまったときにきっと気持ちの指針となってくれる言葉に出会うことのできる作品だと思います。

2.小川洋子「シュガータイム」

【あらすじ】

三週間ほど前から、わたしは奇妙な日記をつけ始めた―。春の訪れとともにはじまり、秋の淡い陽射しのなかで終わった、わたしたちのシュガータイム。青春最後の日々を流れる透明な時間を描く、芥川賞作家の初めての長篇小説。

小川洋子「シュガータイム」あらすじより抜粋

小川ワールド全開フルスロットル

「なんでもない日常にとけこむ違和感」がふんだんにちりばめられた、小川洋子作品の醍醐味が詰まった作品となっております。

違和感なはずなのにあまりにも普通のことのようにストーリーが進んでいくので違和感を違和感として認識させてくれない、それに不安を感じて心臓をぎゅっと締め付けてくるのでどんどん引き込まれていきます。(それがまたクセになるんだこれ…)

恋愛小説ではあるんでしょうけど、恋愛小説とは思えない、どこか不気味な印象を持つのはきっと私だけではないはずです。わたしの拙い語彙では言い表せないのでぜひ読んで体感していただきたい… お願い読んで…

「砂糖菓子みたいにもろいから余計にいとおしくて、でも独り占めにしすぎると胸が苦しくなるの」

1994年に初版が発行されたこの作品は、現代の生活様式では置き換えられない描写が各所にあります。

それでも、作品に古さやノスタルジックさ、時代の違い等を感じず、むしろ瑞々しさを感じてしまうほど新鮮な情景が見えてくる不思議な感覚になります。

それはなぜだろう、と考えたときにその「現代の様式では置き換えられない描写」自体に直接的な意味はなく登場人物たちの感情やお互いの関係性を暗示する手段として用いられているからだと気づきました。

なので、その文章を読んだときに真っ先に伝わってくるのはそこに含まれている感情だったり関係性だったりするので、そこに時代の変化は連動しなかったりするんですよね。色褪せない作品ってこういうもののことを言うのだなと感じました。

作中の季節が春~秋口(今くらい)までのお話しなので、休日の昼間などに読むと読み終わり頃に情景がマッチしてとっても気持ちいいと思います!

3.吉本ばなな「キッチン」

【あらすじ】

家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。

吉本ばなな「キッチン」あらすじより抜粋

いつか感じたことのあるそれを代弁してくれる

かの有名な吉本ばななさんのデビュー作。わたしは社会人になってから初めて読んだのですが「学生時代のあの頃の自分にプレゼントしたい」と何度となく思っています。早くこの作品に出合えるなら、なるべくもっともっと早く出会いたかったと感じる作品です。

「孤独」ってただ単に周りに誰もいなくて独りぼっち、という単純なものではなく、日常のあらゆるところでふと湧き出てきたりするなんとも形容しがたい空虚を仰ぐような感情だと思うのですが、

それを「そういう時もあるし、いい時もあるよ!」みたいな軽い励まし方ではなく、全てを受け入れてただそこに居てくれるような距離感を保ちつつ温かさをくれるようなストーリー展開となっています。

登場人物だれもが何かしらの「悲しさ」をまとっているのだけどもそれを特別なものとはせず、それを含めた「生き方」を示してくれるような描写が多いです。

あなたにとっての「キッチン」は?

主人公が心の拠り所的な意味で居場所としているのが台所なのですが、自分にとってのその居場所ってどこなんだろうと考える機会を与えてくれます。

読中や読了後に考えたくなる作品がすきなんですよね~~、自分なりに噛み砕いて落とし込んでる時間が好きでそこまでひっくるめて「読書」みたいなところがあります。

その考えている時間自体、私がいちばん私自身と向き合えていると思います。なので、この作品の主人公の台所にあたるものが、私にとってはこの作品「キッチン」なのかもしれません。

再生、肯定、包容、納得、そんな言葉が似合う作品です。ほんと、この作品にもっと早く出会っていたら私にとっての読書がもっと別の意味を持っていたのかもなあって思います。だから、いまこのブログを読んでいるひとは今すぐ読んで欲しいです。

さいごに、、

今回は、私的「おいしい活字」がたっぷりと詰まった3作品を厳選して紹介させていただきました。

こういった言葉ひとつひとつを嚙みしめれば噛みしめるほど味が深く浸透してくる、いわゆる「スルメ本」は、何度読んでも響いてくるものがあり、自分自身の頭で「考える時間」をくれます。

また、この3冊の共通点として「いま与えられている時間をどう過ごすか」を主人公を通して問いかけてくるようなテーマが根本にあるように感じます。こんないまだからこそ、きちんと考えたい向き合いたいテーマだと思います。

そして何より「食べる」という行為の描写がこんなにも言葉で美しく表現できるものかと感動します。各作品それぞれ全く別の美しさがある。感受性がバグを起こして鬼レベルとなっている私は、読んだだけでもう満腹です。

「読書の秋」を楽しみながら活字で「食欲の秋」も満たしてくれる。欲張りさんにはぴったりの作品です。

余談ですが、ちゃんとしっかり物理的な「食欲の秋」も着実に満たしていっているので安心してください。

特にこれ、これは最高超えて財宝でした。ぜひ。

ぜひ気になる作品がありましたら、みなさんの秋のお供に「おいしい活字」を添えてみてはいかがでしょうか?

最後までご拝読いただきありがとうございました!